○雲南広域連合資金運用方針要綱

平成29年8月10日

訓令第7号

(目的)

第1条 この訓令は、会計管理者が管理する資金(以下「資金」という。)について、運用の方針を定めることにより、安全性及び流動性を確保した上で効率的な資金運用を行うことを目的とする。

(適用範囲)

第2条 この訓令は、歳計現金、歳入歳出外現金及び基金について適用する。

(資金運用の原則)

第3条 会計管理者は、資金運用に当たっては、資金の安全性に係る信用リスク(資金回収の不確実性をいう。以下同じ。)、流動性リスク(資金繰りの不確実性をいう。以下同じ。)、金利変動リスク(市場金利の変動の不確実性による保有債券価格の変動の不確実性及び受取利息の再投資収入の不確実性をいう。以下同じ。)(以下これらを「リスク」という。)について、金融情勢のみならず世界的な経済環境等の情報収集及び分析に努め、適切なリスクコントロールを通じて効率性の向上を図ることを原則とする。

2 会計管理者は、資金運用に当たっては、その効率性の向上を図るため、金融取引がリスクを引き受けることで収益が発生する構造にあることに鑑み、リスクをいたずらに回避するのではなく、リスクの性質又は程度を見極め、次に掲げるリスクへの対処を行うことにより、適切にリスクをコントロールするよう努めなければならない。

(1) 信用リスクへの対処に当たっては、個々の金融商品における元本の確実な保全のため、安全な金融商品の選択及び取引金融機関の経営健全性指標の分析に留意すること。

(2) 流動性リスクへの対処に当たっては、各所属から収入及び支出計画を聴取した上で資金を統合管理することにより、必要なときに必要な資金を調達できるよう留意すること。

(3) 金利変動リスクへの対処に当たっては、市場利回りの上昇は保有債券価格の下落をもたらすが有利な債券に入れ替える機会であること及び市場利回りの低下は保有債券価格の上昇をもたらすが有利な債券を購入する機会が低下することに鑑み、市場金利の変動による債券価格の変動と受取利息の再投資収入の変動に統一して対処するために、保有債券等の継続的な入替えを通じて、運用資金の適切な構成及び運用益の上昇を図ること。

(資金運用会議)

第4条 この訓令に基づく資金運用を円滑に行うため、資金運用会議(以下この条において「会議」という。)を設置する。

2 会議の委員は、会計管理者、事務局長、消防長、消防総務課長及び総務課長(出納室長兼務)とし、事務局は、総務課に置く。

3 会議は、必要に応じて事務局長が招集し、協議事項は、資金運用の検討、運用方針の見直し、金融機関の財務状況等の確認その他資金運用に必要な情報共有に関する事項とする。

(資金運用に従事する者の責任)

第5条 資金運用に従事する者は、法令及びこの訓令に定める事項を誠実に遵守し、ファイナンス能力の向上に努めるとともに、金融情勢等に対して一般の金融業務従事者が払うべき注意事項の確認に努めるものとする。

(資金運用の方針等)

第6条 資金運用の方針は、次のとおりとする。

(1) 特定の目的のために基金から直接貸し付け、当該基金に直接償還させる等、原資の範囲内で歳入歳出予算に関係なく経理する定額運用型の基金については、流動性確保を一義的な目的として、普通預貯金又は当座預金により運用するものとする。

(2) 収益を積み立てることなく特定の目的のための事務事業の財源として歳入予算に計上して充当する果実運用型の基金並びに積み立てた原資及び収益を特定の目的のため処分するときに歳入予算に計上して繰り入れる積立て型の基金については、個々の基金の取崩し予定額を把握した上で余裕資金がある場合は、中期、長期及び超長期の金融商品による運用をするものとし、並びに債券入替えによる売却益の確保を図るものとする。

(3) 歳計現金及び歳入歳出外現金に余裕資金がある場合は、中期、長期及び超長期の金融商品による運用をするものとし、並びに債券入替えによる売却益の確保を図るものとする。

2 前項第2号に規定する基金は、事務の簡素化を図るとともに、予期せぬ基金取崩しに基金全体で対処することにより長期運用を可能とするため、各基金及び各金融商品の対応付けを外し、基金残高と金融商品残高を総額で対応付けすることにより資金運用を一括して行うこと(以下「一括運用」という。)ができるものとする。

3 一括運用による運用収益は、財政調整基金が受け入れ、毎年度1回、運用収益を12月末時点の各基金残高の割合であん分し、年度末までに財政調整基金から各基金に振り替えるものとする。この場合において、1月以降に運用収益の変動があったときは、財政調整基金で調整するものとする。

4 資金運用は、次に掲げる金融商品により行うものとする。ただし、第2号に規定する金融商品は、基金の一括運用の場合に限り運用するものとする。

(1) 当座預金、普通預金及び定期預金

(2) 満期までおおむね30年以内の国債、政府保証債、地方債、地方公共団体金融機構債券、金融債及び電力債で、本邦通貨をもって表示されるもの(以下これらを「債券」という。)

5 預金の解約又は債券の売却は、次に掲げる場合に行うものとする。

(1) 資金の安全性を確保するために必要な場合

(2) 流動性を確保するために必要な場合

(3) 収益性向上のために金融商品の入替えを行う場合

(債券の取得、償却等の方法)

第7条 債券の取得は、広域連合長の決裁を受けた後、証券会社との相対取引又は複数の証券会社による引き合いのいずれかにより、確実かつ効率的な方法で行うものとする。

2 既発債券の取得において経過利息(当該債券の取得が利払日と利払日の間に行われ、前回の利払日の翌日から取得日までに発生する利息をいう。)を支払った場合は、当該経過利息は、最初の受取利息の中に含めるものとし、受取利息の調定に当たって経過利息相当額を減じた額で行うことにより、経過利息を償却するものとする。

3 債券については、額面金額を超過した金額で取得した場合は受取利息の調定に当たって当該超過した金額を減じた額で行い、債券の帳簿価額から同額を減ずるものとし、額面金額を下回る金額で取得した場合は受取利息の調定に当たって当該下回る金額を加算した額で行い、債券の帳簿価額に同額を加算するものとする。

4 債券の入替えを行う場合等において売却額が債券の帳簿価額を下回るときは、その差額を一括運用する基金の運用収益を使用して償却を行うことができるものとする。

(債券の収益性の評価)

第8条 会計管理者は、債券による資金運用に当たっては、予算の単年度主義による短期的な損益の成果追求ではなく、複数年度を通算した損益による収益性の評価(債券を満期保有した場合又は債券を売却した場合の所有期間を通じた利回り((年間利息)(売却価格-取得価格)÷(所有期間)÷(取得価格)の式により算出される数値をいう。以下「所有期間利回り」という。)の多寡による評価をいう。)を勘案して行うものとする。

2 会計管理者は、債券の入替えを行う場合は、売却する債券の満期までの償還期間短縮に伴う含み益増加効果による売却益並びに債券残存期間に対応する債券の市場利回り及び債券表面利率の調整としての売却益又は売却損による収益性及び新たに取得する債券の所有期間利回りによる収益性の総合的な評価により行うものとする。

(債券台帳)

第9条 総務課長は、債券台帳に次の各号に掲げる時期の区分に応じ、当該各号に定める事項を記載し、これを整備しなければならない。

(1) 取得時 取得債券の銘柄、約定日、額面、購入価格、クーポン(債権表面利率)、利回り、発行日、償還日、金利支払日、購入単価、経過利息、発注業者及び口座管理業者

(2) 売却時 約定日、売却価格、売却単価、所有期間利回り、受渡し日、経過利息、発注業者及び売却理由

(その他)

第10条 この訓令に定めるもののほか、必要な事項は、広域連合長が別に定める。

この訓令は、平成29年9月1日から施行する。

雲南広域連合資金運用方針要綱

平成29年8月10日 訓令第7号

(平成29年9月1日施行)